私が、初めて手掛けた表参道のシーフードレストラン“マンボウズ”、ブラジルのシュラスコレストラン“バッカーナ”、また、コカレストランの1号店“六本木店”など数々のレストランをオープンし、早くも約20年が過ぎようとしています。 この20年、世界情勢も大きく変化し、お客さまの嗜好も常に移り変わり、情勢に左右されやすいレストランの運営は、日々挑戦の連続でした。これまでの経験を積み重ね、現在では、ワンダーランドクラブ会員約4万人の方々に愛されるレストラングループになるまでになりました。
今までもこれからも“レストランワンダーランド”を支える上で、常に心掛けている思いがあります。それは、“本物志向であること”、また“我々の個性を遺憾なく発揮すること”にあります。“本物志向”とは、ワンダーランドの場合、その料理にあります。世界各国の心から親愛し合えるレストランと業務提携(ジョイントベンチャー)を結ぶことで、その料理に対するこだわりや情熱、そして、長い時間をかけて築き上げられた歴史をすべて譲り受け、お客さまにお伝えすることができます。
また、“我々の個性”とは、その譲り受けた財産を日本のスタイルに合わせてしまうのではなく、日本の皆さんに受け入れていただけるかどうかを慎重に見極め、そのスタイルの持つ“個性を活かしながら融合させること”が大切なことだと考えます。
人々は海外へ行き尽くし、情報は簡単に手に届くこの時代、世界は急速に狭くなっています。海外に行き慣れた方よりも上回る知識、各国料理に興味のある方より多くの情報を勉強し、「きちんと“本物”をお出しし、どこの国にも負けないサービスでお客さまを迎える」こうした姿勢を持ちながら、新しいことにも常にチャレンジしていきたいと思っています。
最近、「覆面調査隊」という試みに挑戦しました。私達は、通りがかりのモニターや調査会社に依頼するのでもなく、いつもワンダーランドをご利用いただいているクラブ会員の皆さんの声を聞くことが、大事なことだと気づいたからです。「お客さまが利用するレストランですから、お客さまの居心地よいレストランを作る」それは当然ですよね。「いかにお客さまにお楽しみいただけるか」「対価に見合う価値観とは何か」「トレンドに終らないレストランを作るにはどうするべきか」を考え、お客さまと一緒に歩んで行きたいと思います。勝手な思いながら、自分では、クラブ会員の皆さんを我々を支えてくださる大切なレストランサポーター、もっと言えば、ファミリーと親しみをもって考えています。「常にサポーターの気持ちを考え、ファミリーの考えを分析し、融合すること。」 この気持ちを持ち続けること、そうした活動が、“お客さまに愛されるレストランワンダーランド”になると信じています。
こうして文章にすると本当に当たり前のことで、少し照れくさいのですが、これが一番、レストランを長く継続するために必要なことなんだと、改めて心に誓う今日この頃です。
株式会社 マルハレストランシステムズ 代表取締役社長 小島 由夫
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